春闘の相場づくりに影響力を持つ「トヨタ自動車」の労働組合は、ベースアップに相当する賃上げについて、来年の春闘では、これまでとは異なり、要求額を公表しない方向で調整を進めていることが分かり、今後、ほかの企業の労使交渉に影響を与えることも予想されます。
「トヨタ自動車」のことしの春闘は、ベースアップの回答額を非公表とする異例の形で妥結し、来年に向けて、組合側がどのような要求方針を掲げるか注目されていました。
関係者によりますと、トヨタの労働組合は、来年の春闘では、ベースアップの要求額を公表しない方向で調整を進めていることがわかりました。
その代わりとして、期間従業員も含めた組合員1人当たりのベースアップや定期昇給などを含めた賃上げの全体額を示して要求する方向で検討しているということです。
これは、賃金の格差が課題となっている中小を含むグループ各社が、トヨタのベースアップの水準を参考にするのではなく、実態に応じた柔軟な交渉を行えるよう促すねらいがあるものと見られます。
トヨタの春闘は、グループ各社だけでなく、ほかの大手企業の交渉にも影響力を持つとされていて、今回の交渉の在り方の見直しが今後、ほかの大手企業の労使交渉に影響を与えることも予想されます。
-- NHK NEWS WEB