去年、神戸空港沖の誘導灯に高速船が衝突し乗客らがけがをした事故で、運輸安全委員会は、船長が雑談しながら操縦し、レーダーも確認していなかったため誘導灯に気付かなかったとする調査結果をまとめました。
運輸安全委員会が公表した報告書によりますと、去年7月、関西空港から神戸空港に向かっていた高速船が、神戸空港沖の誘導灯に衝突し、乗客と乗員合わせて27人が重軽傷を負いました。
高速船の船長は、機関長と雑談をしながら夜間に目視のみで操縦し、レーダーやGPS機器も確認していなかったということです。
このため、基準となる航路を外れ、誘導灯に気付かなかったとしています。
そのうえで、船内の規律が守られておらず、運航会社の「OMこうべ」の安全管理は有効に機能していなかったと指摘しています。
さらに、この航路の高速船は、事故のあとも基準となる航路を外れて誘導灯に接近していたことが調査の過程でわかりました。
運輸安全委員会は「OMこうべ」対し勧告を行い、航海計器の適切な利用を含む見張りの重要性や、基準航路の重要性などを乗組員に教育していくことを求めました。
-- NHK NEWS WEB