アメリカ司法省は、中国のハッカー集団が中国政府と連携してアメリカや日本などの企業にサイバー攻撃を仕掛けて最先端技術などの企業秘密を盗んでいたとして中国人2人を起訴したと発表しました。
アメリカ司法省とFBI=連邦捜査局は20日、記者会見し、中国のハッカー集団「APT10」が、2006年からことしにかけて、アメリカや日本など世界各国の企業や政府機関を狙ってサイバー攻撃を行ってきたと明らかにしました。
そのうえで、メンバー2人は、中国の情報機関である国家安全省と連携して天津にある科学技術関連企業のために最先端技術などの企業秘密を盗み出していたことがわかったとして2人を起訴したと発表しました。
司法省によりますと、「APT10」が盗み出したデータは数百ギガバイトで、被害に遭った企業は航空宇宙やエネルギー、それにバイオテクノロジーや製造業など多岐にわたるということです。
会見したローゼンスタイン司法副長官は、「中国政府は、3年前、サイバー攻撃によって企業秘密は盗まないと約束したものの、その約束を守るつもりがないようだ」と非難しました。
さらに、中国政府が産業政策「中国製造2025」の中で重視している10の産業分野でアメリカなどの企業秘密が盗まれる被害が著しいと指摘し、取締りを一段と強化する姿勢を示しました。
アメリカ司法省は、中国がハイテク覇権を目指して産業スパイやサイバー攻撃を増やしているとみて先月、省内に対策チームを発足させています。
-- NHK NEWS WEB