国土交通省は、経済成長が続くインドで鉄道による貨物輸送を拡大させて、日本企業のビジネスを後押ししようと、初めてとなる大規模な貨物鉄道の実証実験をインド政府と共同で始めました。
この実証実験は、国土交通省がインド鉄道省と初めて行ったもので、20日に自動車や電化製品などを積んだ40両編成の貨物列車が、首都ニューデリーにある貨物ターミナルからおよそ2200キロ離れた南部のベンガルールに向けて出発しました。
インドでは、高い経済成長に伴って物流の需要が高まっていますが、貨物鉄道はダイヤがなく定時の運行が確立されていないため、利用が広がっていません。
このため実証実験では、インド鉄道省が、日本のノウハウを参考にして、7日間で1往復するダイヤを設定したうえで、業務を受託した物流大手の日本通運が現地企業とともに、ダイヤどおりに運行できるかや、荷物に傷みが出ないかどうかなどを検証します。
インドでは、ニューデリーと西部ムンバイを結ぶおよそ1500キロの区間で日本の円借款を受けて、貨物鉄道の建設が進められています。
日本政府としては、今回の実証実験を通じて効率よく大量の物資を運ぶことができる鉄道輸送を普及させ、現地に進出している日本企業のビジネスを後押ししたい考えです。
-- NHK NEWS WEB