首都圏で老人ホームを運営する会社に入居者が支払った一時金のうち、およそ26億円がなくなっていることが分かり、会社は、不正に処理された疑いがあるとして、警視庁に告訴状を提出しました。
東京や神奈川など首都圏で老人ホームを運営する東京の「未来設計」は、ことし7月、福岡市の「創生事業団」の傘下に入りました。
創生事業団によりますと、公認会計士に依頼して財務状況を調べた結果、ことし4月の時点で38億円以上あるはずの入居一時金が12億円余りしか確認できず、残りのおよそ26億円がなくなっていることが分かったということです。
入居一時金は、月々の入居料の前払い分として入居者や家族が支払うもので、1人当たり数百万円から千数百万円にのぼるということです。
内部告発した未来設計の財務部長は、「創業者の70歳の女性の指示で、入居一時金を一括して売り上げに計上して赤字を黒字に装い、役員報酬などに使った」と話したということです。
未来設計は、会社の資金が不正に処理された疑いがあるとして、警視庁に詐欺の疑いで告訴状を提出し、合わせて、創業者らに賠償を求める裁判を起こしました。
創生事業団は、「高齢者から預かったお金を不正に処理することは許されない」と話しています。
-- NHK NEWS WEB