旅客機の安全対策をさらに強化していこうと、日本航空は、日々の運航で蓄積している膨大な記録をビッグデータとして活用し、部品の不具合につながるわずかな兆候を見つけ出す取り組みを始めました。
旅客機は、エンジンや翼などさまざまな部品の作動状況を飛行中、常に記録していて、フライトが終わるたびに数千万から数億に上る膨大なデータを取り出して、航空会社のサーバーに蓄えています。
日本航空はこのほど日本IBMと共同で、これらの記録をビッグデータとして活用し、機体の不具合を予測する新たな取り組みを始めました。
具体的には、過去数年分の飛行データと、実際に発生した不具合の記録を分析ソフトを使って解析することで、不具合の発生前に表れるわずかな兆候を把握することが可能になったということです。
日本航空によりますと、不具合の予測にビッグデータを活用するのは国内で初めてということで、現在のところ、対象の部品は左右の翼の状況を確認するセンサーなど、一部に限られていますが、今後、拡大していきたいとしています。
日本航空の担当者は「ビッグデータの手法で、人間では気付けないような不具合の特徴をつかむことが可能になった。取り組みをさらに続け、より安全な運航につなげたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB