新春に皇居で行われる「歌会始」(うたかいはじめ)の入選者に、山梨県の高校1年生など10人が選ばれました。
今回の歌会始のお題は「光」で、全国と海外から合わせて2万2000首近い短歌が寄せられました。
この中から、山梨県甲州市の高校1年生、加賀爪あみさん(16)や、秋田県大仙市の会社員、鈴木仁さん(58)、それに、岡山県倉敷市の中学校教諭、重藤洋子さん(58)など10人が入選しました。
加賀爪さんは、アイドルのコンサート映像を映画館で見て、自分も一体となった様子を海に見立てて詠んだということで、「何度も推こうを重ねた作品で、すごくうれしいです。これを励みに、これからもきれいだと感じたものを歌にしていきたい」と話しています。
鈴木さんは、福島県南相馬市を訪れた際、津波に耐えた松の近くに風力発電の風車が建てられていることに心を動かされ、その情景を歌にしたということで、「震災後の福島のことを伝えたいと思い、歌を詠み続けてきました。入選は、とてもうれしくありがたいことです」と話しています。
重藤さんは、ことし8月、生徒たちと広島市の原爆資料館を訪れた際に感じた思いを詠んだということで、「生徒たちの姿が成長ぶりや平和な世の中を表しているように思え、感動した気持ちを歌にしました。入選に、ただただ驚いています」と話しています。
一方、天皇陛下から歌を詠むように指名された「召人」には、俳人の鷹羽狩行さん(88)が選ばれました。入選した10人と召人の歌は、来月16日に皇居・宮殿で開かれる歌会始で、天皇皇后両陛下や皇族方の歌とともに披露されることになっています。
-- NHK NEWS WEB