中国の去年のGDP=国内総生産の伸び率は、前の年に比べて6.7%のプラスと、おととしから0.2ポイント下がって、26年ぶりの低い水準となり、相次ぐ景気下支え策で政府の成長目標は達成したものの、中国経済の減速が一段と鮮明になりました。
中国の国家統計局が20日発表した去年10月から12月までの第4四半期のGDPの伸び率は前の年の同じ時期に比べて6.8%のプラスとなり、前の四半期より0.1ポイント上昇しました。
この結果、中国の去年1年間のGDPの伸び率は前の年に比べて6.7%のプラスとなり、おととしから0.2ポイント下がって26年ぶりの低い水準となりました。
これは、中国政府が構造改革を進める中で、企業の設備投資をはじめとする民間投資が大きく伸び悩んだことなどによるもので、インフラ建設の拡大や、自動車の販売を促す減税といった景気下支え策によって、目標としていた6.5%から7%の範囲にはとどまったものの、経済の減速が一段と鮮明になりました。
中国では、経済の減速を背景に企業の財務が悪化し、銀行の不良債権も増加して雇用や金融市場に与える影響が懸念されており、指導部のメンバーが大幅に入れ代わる見通しの5年に1度の共産党大会をことし後半に控える中、財政出動を強化して景気の安定を図りながら構造改革を進められるのかどうかが焦点です。
中国の去年のGDPについて記者会見した中国国家統計局の寧局長は、「6.7%の成長率は中速度から高速度の成長であり、世界でも高いほうだ」と述べ、実績を強調しました。
その一方で寧局長は「中国経済が安定しながら改善に向かう基礎はまだ固まっていない」として、今後の経済の行方に慎重な見方を示しました。
一方、アメリカのトランプ次期政権の経済運営が中国経済に与える影響について、寧局長は「両国は長年、大国としての協力関係を発展させてきていて、私自身は期待している」と述べるにとどめ、具体的な言及を避けました。
-- NHK NEWS WEB