日銀の黒田総裁は都内で行った講演で、このところの株価の値下がりについて「世界経済をめぐるさまざまなリスク要因に対する認識の変化が影響している」として、金融市場の動向を注視する考えを示しました。
この中で、黒田総裁は、25日の東京市場で日経平均株価が1000円を超える急落となるなど、このところ株価が値下がりしていることについて「世界経済をめぐるさまざまなリスク要因に対する認識の変化が株式市場の変動につながっている面がある」と指摘しました。
そして、具体的なリスク要因として、米中貿易摩擦やイギリスのEU離脱の問題、それにアメリカの利上げが新興国に及ぼす影響などを挙げ、当面の金融市場への影響を注視していく考えを示しました。
中でも、米中の貿易摩擦について、黒田総裁は「将来にわたって両国の関係をどう構築するのかという大きな文脈の一部として捉えるならば、解決に時間がかかる可能性も否定できない。そうなると、各国の貿易活動や内外経済に及ぼす影響は複雑かつ広範なものとなるおそれもある」と述べ、対立が長期化して影響を広げることに懸念を示しました。
-- NHK NEWS WEB