日産自動車のカルロス・ゴーン前会長の私的な為替取引での損失をめぐって日産側から16億円余りが支払われた知人は、日産のマーケティングを担う関連会社を中東に設立するなど日産と関係が深いサウジアラビア有数の実業家だったことが関係者への取材で分かりました。
日産自動車の会長だったカルロス・ゴーン容疑者(64)は、私的な為替取引での損失をめぐり信用保証に協力した知人の会社に日産の子会社から16億円余りを不正に支出したとして、特別背任の疑いで東京地検特捜部に再逮捕されました。
関係者によりますとこの知人はサウジアラビア有数の財閥「ジュファリグループ」の創業家一族出身の実業家で、ゴーン前会長と30年来のつきあいがあるハリド・ジュファリ氏だったことが新たにわかりました。
ジュファリ氏は2008年にUAE=アラブ首長国連邦に中東地域全体での日産のマーケティングを請け負う会社を設立するなど日産とは関係が深い人物だということです。
16億円余りは「販売促進費」などとしてジュファリ氏の会社に送金されていて、特捜部は信用保証への協力の謝礼などとして支払われたとみて詳しい経緯を調べています。
弁護士によりますとゴーン前会長は「支払いは信用保証への謝礼ではなく日産のトラブルの解決や王族へのロビー活動などに対する正当な報酬だった」などと容疑を否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB