韓国の大韓航空を傘下に置く財閥の会長の妻や娘などが、海外で購入した品物、総額で日本円にしておよそ1500万円相当を260回にわたり自社の航空機で密輸入するなどしていたとして、韓国の税関当局は27日、関税法違反の疑いで検察に告発しました。
告発されたのは、韓国の大韓航空と、大韓航空を傘下に置く財閥「ハンジン(韓進)グループ」のチョ・ヤンホ(趙亮鎬)会長の長女のチョ・ヒョナ(趙顕娥)元副社長や、妻や次女など5人です。
韓国の税関当局によりますと、5人は、2009年からことし5月にかけて、合わせて260回にわたり、名品の器など総額で日本円にしておよそ1500万円相当を密輸入したとして、関税法違反の疑いが持たれています。
妻や2人の娘は、大韓航空の海外支店に購入を指示し、支店に配送させたうえで、会社の物品であるかのように装って自社の航空機で運び込むなどの手口を繰り返していたということです。
また、去年までの4年間に海外で購入した家具や浴槽など合わせて30件、日本円でおよそ5700万円相当の虚偽申告も見つかったということです。
この財閥の会長一家をめぐっては、チョ元副社長が4年前、客室乗務員のナッツの出し方に怒って動き始めた機体を戻させた、いわゆる「ナッツ・リターン事件」を起こしたのをはじめ、ことしに入って次女と妻がそれぞれ暴行の疑いで捜査を受けたほか、会長自身も背任などの罪で在宅起訴され、厳しい批判を浴びていました。
-- NHK NEWS WEB