就任を間近に控えたアメリカのトランプ次期大統領に関連して、日銀の黒田総裁は19日、訪問先のスイスで記者団に対し、保護主義が世界的に広がる可能性は低いという認識を示しました。
日銀の黒田総裁は、世界の政財界のリーダーなどが一堂に会するダボス会議に出席するためスイスを訪れていて、現地で記者団の取材に応じました。
この中で黒田総裁は、アメリカのトランプ次期大統領が自由貿易に否定的と受け取れる、保護主義的な主張を掲げていることについて、「アメリカだけでなく、日本もヨーロッパも中国も、世界的なモノの流れ、サプライチェーンに組み込まれている。世界貿易を大きく損なう保護主義が、世界的に広がる可能性は少ないのではないか」と述べました。
一方、イギリスのメイ首相が、EU域内の単一市場から撤退する意向を表明したことについては、「予想外のショックを与える話でなく、今後の方向性を明確にしたのであり、よいことだ」と評価したうえでイギリスに進出している日本企業への影響については、イギリスとEUの今後の交渉次第で、現時点では明確ではないという認識を示しました。
-- NHK NEWS WEB