正月を前に広島県三次市の水産卸会社では、地元で「ワニ」と呼ばれ、県北部では正月料理に欠かせないサメの入荷がピークを迎えています。
三次市など広島県北部の山間部では、かつて新鮮な海の魚が届くまで日数がかかっていたため、ほかの魚より傷みにくいとされるサメを正月や秋祭りなどの特別な日に食べる習慣があります。
サメは地元ではワニと呼ばれ、三次市にある水産卸会社では年の瀬を迎え、正月用のサメの入荷がピークを迎えています。
会社では夜明け前から作業が行われていて、27日も宮崎県の漁港からトラックで運ばれてきたサメを包丁で手際よく5キロほどの大きさに切り分けていました。
サメは大きいもので体長がおよそ2メートル、重さが70キロから80キロほどあるということです。
三次市でワニ料理の店を営む藤田恒造さんは、卸会社から購入したサメを正月用の「ワニ」として店頭で販売するため、早速小分けにするなどして調理していました。
藤田さんは「ワニは100年以上続く伝統食です。正月に向けて皆さん楽しみにされているので、ワニを食べてもらおうと頑張っています」と話していました。
-- NHK NEWS WEB