ドイツの大手化学メーカーの台湾法人の幹部らが、半導体の製造に使われる化学製品に関する情報を中国企業に提供したとして、産業スパイの疑いで摘発されました。
台湾の警察や検察当局に摘発されたのは、ドイツの世界的な化学メーカーBASFの台湾法人で、技術部門のトップをつとめる現地の幹部や元工場長など合わせて6人です。
発表によりますと、この幹部らはBASFに勤める一方で、おととし中国企業と秘密裏に契約を交わし、半導体の製造に使われる化学製品の生産工場の設立に協力したうえ、製造技術も提供していた、産業スパイの疑いが持たれています。
台湾メディアによりますと、この幹部らが中国側に提供した技術の市場価値はおよそ126億円相当にのぼり、総額で7億円の報酬を約束されていたということです。
半導体は自動運転やAI=人工知能など次世代技術の開発に不可欠であることから、中国は国産化を国家目標に掲げる一方で、半導体生産の高い技術を持つ台湾の人材を積極的に誘致しており、今回の事件の背景にもそうした中国側の事情があるものと見られています。
-- NHK NEWS WEB