中国で麻薬を密輸した罪に問われ、死刑を言い渡されたカナダ人の被告について、カナダのフリーランド外相は中国に寛大な対応を要請しました。
中国の裁判所は14日、麻薬を密輸したとして1審で懲役15年を言い渡されたカナダ人の被告に対するやり直しの裁判で死刑を言い渡しました。
これについてカナダのフリーランド外相は15日、東部ケベック州で記者会見し「カナダに駐在する中国大使と話し、寛大な対応を要請した。カナダに死刑制度はなく、死刑は非人道的で不適切だというのがカナダの姿勢だ」と述べました。
カナダ人の被告に対する死刑判決が言い渡されたあと、トルドー首相は「恣意的(しいてき)で、極めて憂慮すべき事態だ」と中国の対応を強く批判しました。
これに対して中国外務省の報道官は記者会見で「被告は222キロの覚醒剤を密輸した」などと罪を強調したうえで「カナダ側の発言は最低限の法治の精神すら欠けていて、強い不満を表明する」と述べて反発しました。
カナダと中国をめぐってはアメリカ政府の要請でカナダ当局が先月、中国の通信機器大手 ファーウェイの副会長を逮捕して以降、それまで良好だった関係が急速に冷え込んでいます。
-- NHK NEWS WEB