製薬会社から医師に講演料や原稿執筆料として資金提供されることが多くありますが、医師が受け取った金額を検索できるデータベースが15日、公開されました。アメリカやドイツでも同様の取り組みが行われていて、作成したNGOは「情報を透明化することで、医師が金銭の提供を受けた製薬会社を優遇することはないかチェックできるようにしたい」と話しています。
ウェブ上で公開されたのは「マネーデータベース『製薬会社と医師』」です。
医師が参加するNPO法人「医療ガバナンス研究所」と調査報道を行っているNGOの「ワセダクロニクル」が作成しました。
医師の名前を入力すると、製薬会社から講演料や原稿執筆料などとして資金提供を受けた金額を確認できます。
大手の製薬会社などでは、こうした資金提供をした場合、ホームページに掲載していますが、全体像を把握できるようにと平成28年度の情報を取りまとめ、データベース化したということです。
データベースづくりの過程でNGOが確認したところ、講演料や原稿執筆料など医師個人に支払われた総額は平成28年度の1年間で266億円に上り、1000万円以上受け取った医師は96人いて、多くが大学教授だったということです。
製薬会社が医師にこうした資金提供を行うことは法律的には問題はありませんが、アメリカやドイツでも資金の流れを透明化するデータベースが公開されています。
このデータベースでは、その後の資金の流れについても更新していく予定で、作成に当たった『ワセダクロニクル』では「医療機関で処方される薬は本当に最良なのか、情報を透明化することで、医師が金銭の提供を受けた製薬会社を優遇することがないかチェックできるようにしたい」としています。
-- NHK NEWS WEB