アメリカの中央銀行に当たるFRB=連邦準備制度理事会は、最新の経済報告で、景気は拡大しているものの、金融市場の動揺や貿易摩擦、それに政府機関の一部閉鎖を念頭にした政治の不透明感などによって、先行きに対する楽観的な見方が減っていると指摘しました。
FRBは16日、全米に12ある地区連銀が企業などに行った聞き取り調査を基に最新の経済報告を公表しました。
それによりますと、FRBは、消費や雇用、それに賃金も伸びていることから、ほとんどの地区で景気は拡大しているとしたうえで、先行きの見通しについてもおおむね上向きだという判断を示しました。
ただ、多くの地区で金融市場の動揺や貿易摩擦、それに政府機関の一部閉鎖を念頭にした政治の不透明感などから、先行きへの楽観的な見方が減っていると指摘しました。
また、政府機関の一部閉鎖を受けて、農産物に関する統計の公表が遅れていることから、一部の地区からは先行きの不透明感が増しているという報告もあったとしています。
エコノミストや市場関係者の間でことしのアメリカ経済は減速するという見方が広がる中、FRBの報告でもトランプ政権の政策に対する懸念が高まっていることが浮き彫りになりました。
-- NHK NEWS WEB