トランプ新政権が、NAFTA=北米自由貿易協定の再交渉を行う方針を明らかにしたことを受けて、メキシコでの新工場の建設計画を当面、先送りする企業も出ています。
宇都宮市に本社がある、従業員およそ300人のバネの製造会社、村田発條は栃木県内のほか、メキシコなど海外にも生産拠点があります。このうち、メキシコで生産したバネは、メキシコ国内にある自動車メーカーの工場に出荷されています。
アメリカ、メキシコ、カナダが参加するNAFTAで、2008年までにすべての物品の関税が撤廃され、メキシコからアメリカへの輸出など、国境を越えた経済活動が活発な中、会社側では、ことしをめどにメキシコに新工場を建設し、生産規模を2倍に増やす計画でした。
しかし、トランプ新政権がNAFTAの再交渉を行う方針を明らかにしました。
村田発條の高橋純夫社長は「事前にいろいろな情報が発信されていたが、いよいよ現実になると感じた。計画はいったん静観をする」と述べ、メキシコでの新工場の建設計画を当面、先送りすることを明らかにしました。
その理由として、高橋社長は「メキシコの工場は規模を拡大しても、想像していたような売り上げを確保できないおそれがある。今は成り行きを見守るしかない」と述べました。
-- NHK NEWS WEB