日韓外相会談が、日本時間の23日夜スイスで行われ、韓国のカン・ギョンファ(康京和)外相は自衛隊機へのレーダー照射問題に加えて、海上自衛隊の哨戒機が韓国軍の艦艇に対して、低空で威嚇飛行したとして、日本側に遺憾の意を伝えました。これに対し、河野外務大臣は、冒頭、「日韓関係は非常に厳しい状況にあるが、顔を合わせて会談することに意味がある」と述べるにとどめました。
国際会議に出席するため、スイスを訪れている河野外務大臣は韓国のカン・ギョンファ外相と日本時間の午後6時すぎから、1時間余りにわたって会談しました。
冒頭、カン外相は、自衛隊機へのレーダー照射問題に加えて、海上自衛隊の哨戒機が韓国軍の艦艇に対して、低空で威嚇飛行したとして、日本側の活動に問題があるという認識を示し「最近の日本の哨戒機に対する照射の問題など韓日両国の間でさまざまな困難がある状況だ。きょうまで3回にわたって日本の哨戒機の韓国の艦艇に対する低空飛行が続いており、遺憾だ」と述べました。
これに対し、河野大臣は、「日韓関係は非常に厳しい状況にあるが、そのような状況だからこそ顔を合わせて会談することに意味がある。日韓間の困難な問題について率直に意見交換し、最近のアメリカと北朝鮮の動きを含めた北朝鮮問題についてもしっかりと連携を確認したい」と述べるにとどめました。
両外相が直接会談するのは、去年10月に太平洋戦争中の「徴用」をめぐる裁判で日本企業に賠償を命じた判決が出されて以降初めてとなります。
会談の詳細はまだ明らかになっていませんが、河野大臣は、この問題は1965年に締結した日韓請求権協定で解決済みだとして、適切な措置を講じるよう改めて働きかけるとともに、日本が要請している、協定に基づく協議に早期に応じるよう求めているものとみられます。
また、韓国側が、海上自衛隊の哨戒機が、韓国軍の艦艇に対して、低空で威嚇飛行したと主張していることについて、日本側は高度150メートル以上を確保して、適切な運用を行っていると反論していて、カン外相の発言に日本国内で批判が高まることも予想されます。
-- NHK NEWS WEB