アメリカのアカデミー賞で、作品賞など10の部門にノミネートされている映画「ローマ」に出演したメキシコ人の男性が、アメリカに入国できない状況が続いていて、職探しが入国の目的だと誤解されているのではないかという見方が出ています。
映画「ローマ」は、1970年代のメキシコ・ローマ地区を舞台に、中流家庭の家政婦として働く女性の生活をモノクロの映像で描いたもので、アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演女優賞、外国語映画賞など10の部門にノミネートされています。
メキシコのメディアによりますと、主演女優のヤリッツァ・アパリシオさんの恋人を演じたホルヘ・ゲレロさんは、これまでに3回にわたってアメリカへの入国に必要なビザを申請しましたが、却下されたということです。
トランプ政権が移民に厳しい政策をとっている影響で、職探しが入国の目的だと誤解されているのではないかという見方が出ています。
「ローマ」は今月6日、アカデミー賞の前哨戦とされるゴールデングローブ賞で、外国語映画賞と監督賞に選ばれましたが、ゲレロさんは授賞式に出席できなかったということです。
この作品はアメリカの動画配信大手のネットフリックスが製作したことでも話題で、来月24日にハリウッドで行われるアカデミー賞の授賞式への出席も危ぶまれる中、ネットフリックスはゲレロさんの入国に向けて、関係者に働きかけているとしています。
-- NHK NEWS WEB