28日新たに不正が明らかになった厚生労働省の統計調査について、問題の手法が数十年前から行われていた疑いがあることが関係者への取材で分かりました。
労働者の賃金の実態を雇用形態や職種ごとに把握するため厚生労働省が行っている「賃金構造基本統計調査」では、調査員が事業所に出向き調査票を手渡して回収することになっていますが、厚生労働省は少なくとも去年の分の調査はほぼすべてを郵送で行っていたと28日、明らかにしています。
NHKの取材に対して、この統計調査に携わったことがある複数の関係者が「数十年前から同様の手法で調査を行っていた」と証言しました。
調査は各地の労働局が行うことになっていますが、証言によりますと、事業所に出向いて調査するために必要な予算は配分されていなかったということです。
取材に応じた関係者は「不正だという認識はなく、調査票を郵送したあと、督促や内容確認の電話をかけて調査票の回収率や正確性を確保しようとしていた」と話しています。
この統計調査の結果は、民間企業が賃金を決める際の参考としているほか、最低賃金の算定などに幅広く利用されています。厚生労働省は同様の手法が取られていた時期やそれによる影響がないかなどについて確認を進めることにしています。
-- NHK NEWS WEB