政治の混乱が続く南米ベネズエラで、独裁体制のもとにある検事総長が、アメリカなどの支持を受けて暫定大統領への就任を宣言したグアイド国会議長について、「憲法を妨害する行為を指揮している」として、捜査を始めたことを明らかにしました。
ベネズエラでは、独裁を続けるマドゥーロ大統領に対抗して、アメリカの支持を受けるグアイド国会議長が今月23日に暫定大統領に就任すると宣言し、これを支持する国民と治安部隊との間で衝突が起きるなど混乱が広がっています。
こうした中、独裁政権のもとにある捜査機関のサーブ検事総長が29日会見を開き、グアイド国会議長がベネズエラの憲法を妨害する行為を指揮しているとして捜査を始めたことを明らかにしました。
サーブ検事総長は、グアイド国会議長の身柄は拘束していないものの、銀行口座を凍結するほか、ベネズエラからの出国も禁じるとしています。
グアイド国会議長に対しては、アメリカが国営の石油会社の運営の権限のほか、ベネズエラがアメリカに保有する資産の一部を動かす権限を認めていて、今回の発表はこうした動きに対抗したものとみられています。
-- NHK NEWS WEB