自動車部品メーカーの「曙ブレーキ工業」は、アメリカでの事業の不振で厳しい経営状況になったことから「事業再生ADR」と呼ばれる制度を利用して取引金融機関に支援を求め、再建を目指すことになりました。
発表によりますと、「曙ブレーキ工業」は、アメリカで、取引先の大手メーカーがセダンの生産から撤退したことや、新型車向けの受注を逃したことなどから、財務状況が厳しさを増し、1000億円余りの有利子負債の返済にめどが立たなくなったとしています。
このため、企業の再建を支援する「事業再生ADR」と呼ばれる国の制度を活用することを決め、29日、専門の団体に申請を行ったということです。
そのうえで、取引先の金融機関に借入金の元本の返済を一時停止してもらうよう要請しました。今後、金融機関と協議を進めて財務体質を抜本的に改善させ、経営再建を目指す方針です。
曙ブレーキは、去年3月期の売り上げがグループ全体で2600億円余りある大手の部品メーカーで、トヨタ自動車なども出資していますが、最近は、アメリカでの事業の不振が経営上の大きな課題になっていました。
会社は、部品の供給は滞りなく続けるとしたうえで、「皆様に多大なご迷惑とご負担をおかけすることを深くおわび申し上げます」としています。
-- NHK NEWS WEB