ブラジルで先月、鉱山用のダムが決壊して大量の土砂などが流れ出し、これまでに110人の死亡が確認された事故で、捜査当局はダムを建設した会社が、事故が起きる可能性を事前に把握していたにもかかわらず、費用を安く抑えるために強度の足りないダムを建設した疑いが強いとして調べています。
ブラジル南東部のミナスジェライス州ブルマジーニョで、先月25日に起きた鉱山用のダムの決壊では、流れ出した鉄鉱石や土砂が下流の集落を襲い、これまでに住民など110人の死亡が確認されたほか、238人の行方がわからなくなっています。
事故が起きた当時の映像では、流れ出した大量の土砂が津波のように押し寄せ、作業現場の車や小屋などを次々と飲み込んでいく様子が映し出されています。
ブラジルの捜査当局は、ダムを建設した大手の資源開発会社バーレが、事故が起きる可能性を事前に把握していたにもかかわらず、費用を安く抑えるために強度の足りないダムを建設した疑いが強いとして調べています。
先月29日には、事故が起きる数か月前にダムを調査していた会社の従業員など5人を安全管理を怠った疑いで逮捕し、事故に至る経過をさらに詳しく捜査しています。
-- NHK NEWS WEB