手話通訳などを介して、耳が聞こえない人が電話を利用できる「電話リレーサービス」について知ってもらおうというシンポジウムが東京で開かれました。
電話リレーサービスは、ビデオ電話を使った手話による同時通訳を介して聴覚障害者が電話を利用できるようにするもので、シンポジウムには、一般の人や企業の担当者などおよそ100人が参加しました。
まず、主催者でNPO法人理事長の伊藤芳浩さんが「聞こえる人も聞こえない人も自由にコミュニケーションがとれる社会になってほしい」とあいさつしました。
このサービスは国内では民間の試験的な事業にとどまり、あまり知られていないため、手話通訳者が金融機関の窓口などに電話しても、本人からの電話ではないという理由で取り次いでもらえないケースがあるということです。
シンポジウムでは、30代の時に聴力を失った薄葉幸恵さんが「サービスについて知ることで解決できることが多い。ぜひ身近な人に広めてほしい」と訴えました。
シンポジウムに参加した出版社に勤める男性は「電話リレーサービスを使った連絡が来た場合に対応できるよう社内の人に伝えていきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB