旧正月の「春節」に合わせて日本を訪れる中国人旅行者は、ことしも去年を上回るという見方が多くなっています。
中国人向けの個人旅行を多く手がける、東京 池袋の旅行会社によりますと、ことしの春節に合わせた連休中の予約件数は、去年より3割ほど伸びているということです。
観光庁によりますと、春節に合わせた大型連休のある2月に、日本を訪れる中国人旅行者は、去年71万人余りと、前の年を40%上回りましたが、中国人向けの旅行を手がける会社の多くは、ことしは、さらに旅行者が増えるとみています。
その背景として、先月から大学生などを対象に、訪日ビザを発給する要件が緩和されたことに加え、貿易問題などをめぐる米中の対立を受けて、旅行先としてアメリカを敬遠し、日本を選ぶ傾向が強まっていることもあると分析しています。
その一方で、いわゆる「爆買い」で知られる中国人旅行者の消費には変化も見られます。
去年、中国人旅行者が日本国内で消費した総額は1兆5370億円と外国人旅行者全体の3分の1を占めましたが、1人当たりの消費額は、4年前をピークに減少しています。
去年は、1人当たり22万3640円と前年より3%近く減って、オーストラリアやスペインなどに次ぐ4番目に後退しました。
観光庁は、中国人旅行者の国内での消費が、デパートや家電量販店などでモノを買うことから、旅先でさまざまな体験をする、「コト消費」に移ってきているためと分析しています。観光庁は、「米中の貿易摩擦が激化しているだけに、ことしの春節で、中国人旅行者の消費にどれだけの影響が表れるのか注意して見ていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB