生後5か月で亡くなった男の子の遺体を搬送する際に頭にレジ袋をかぶせた葬儀会社に対して両親が損害賠償を求めた裁判で、神戸地方裁判所は「遺体の処置にあたり礼を失しないように注意する義務を怠った」などとして葬儀会社に66万円の支払いを命じました。
おととし、兵庫県丹波市の北野正己さんと恵さん夫婦の次男で生後5か月だった正弥ちゃんが自宅で突然亡くなり司法解剖されました。
その後、警察の委託を受けた神戸市内の葬儀会社が正弥ちゃんの遺体を搬送する際、頭にコンビニエンスストアのレジ袋をかぶせていたことから、両親は「遺体をぞんざいに扱われ精神的な苦痛を受けた」と訴えて、葬儀会社に220万円の賠償を求めていました。
一方、葬儀会社は「警察から事前連絡がなく急きょ、駆けつけたが、病院にあった遺体を包むための袋が大きすぎたため使用した」などと説明していました。
5日の判決で、神戸地方裁判所の山口浩司裁判官は「会社の従業員は、常日頃から備品を確認すべきで、病院に行く途中で調達することなどもできた。安易な考えでレジ袋を使用したと言うほかない。遺体の処置にあたり、礼を失しないように注意する義務を怠った」などと指摘して葬儀会社に66万円の支払いを命じました。
-- NHK NEWS WEB