日本を訪問したドイツのメルケル首相が両国の企業の代表が出席する会合で講演し、保護主義的な通商政策を取るアメリカのトランプ政権を批判したうえで、EPA=経済連携協定が発効した日本との協力に強い期待を示しました。
メルケル首相は5日午後、ドイツの大手電機メーカー「シーメンス」の社長や、「NEC」の役員といった日独両国の企業の代表などおよそ200人が出席する都内の会合で講演しました。
この中でメルケル首相は「アメリカのトランプ大統領の強硬な通商政策のために、世界のあちこちで関税の引き上げなどが議論されている」と述べ、保護主義的な通商政策を取るトランプ政権を批判しました。
そのうえで、今月1日に発効した日本とEU=ヨーロッパ連合のEPA=経済連携協定について「これまでにないような関係をもたらし、双方の貿易が活発になるだろう」と強い期待を示しました。
またメルケル首相は、経済のデジタル化に不可欠なデータの収集や管理について「アメリカでは大量のデータが民間企業の手にあり、中国では国家が管理している」と述べ、問題点を指摘しました。
そのうえで「安倍総理大臣がG20サミットの議長としてデータ管理の問題を議論するとしていることを歓迎する」と述べ、データの管理についても国際的な多国間協調の中で議論すべきとの考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB