半世紀ぶりの国産旅客機=MRJを開発している三菱重工業は、主要部品で設計の見直しが必要となったことから「来年半ば」としていた航空会社への納入時期を、「2020年半ば」に延期すると正式に発表しました。納入の延期はこれで5回目となります。
発表によりますと、三菱重工は子会社の「三菱航空機」が開発している国産旅客機=MRJの航空会社への納入時期について、「来年半ば」としていたのを2年遅らせて、「2020年半ば」になるとしました。今回で納入の延期は5回目となります。
ただ、三菱重工としては、「2019年末」を目標に可能なかぎり納入時期の前倒しを図るとしています。
延期の理由について、三菱重工の宮永俊一社長は23日、東京都内で開いた会見で「主要部品の電子機器に不具合が出るおそれがあることがわかり、最新の安全基準に適合するよう設計の見直しが必要になったためだ。遅れて申し訳ないという気持ちが大変強い」と述べ、陳謝しました。そのうえで、宮永社長は「2年の納入延期は、お客様にこれ以上迷惑をかけない範囲として、社内で十分議論した結果だ。東京オリンピック・パラリンピックの年にMRJを飛ばすために最大限努力をしたい」として、延期に理解を求めました。
MRJは日本やアメリカなどの航空会社から、すでに447機の受注を獲得していますが、受注のキャンセルも懸念されていて、今回示した納入時期をきちんと守ることができるかどうかは、プロジェクトにとっても大きな意味を持ちそうです。
-- NHK NEWS WEB