北海道の高橋知事は、ロシア極東のサハリン州の知事代行と会談し、北方領土問題の解決に向けた環境整備の1つとして、懸案となっている北海道とサハリン州の間の渡航ビザの免除を実現するよう、それぞれの政府に働きかけることで合意しました。
サハリン州の中心都市ユジノサハリンスクを訪れた高橋知事は9日、ロシア側で北方領土を管轄するサハリン州のリマレンコ知事代行と会談しました。
この中で高橋知事は、「隣人である私たちが経済・文化・医療分野などで地域間交流を深めることが、領土問題の解決と、平和条約の締結に向けた環境整備につながることを期待している」と述べました。
これに対して、リマレンコ知事代行は、「交流を深めるため、2つの地域の間でビザが免除されるよう、互いに努力しましょう」と述べ、2016年にプーチン大統領が日本を訪れた際に言及した、北海道とサハリン州の間の渡航ビザの免除を実現するよう、それぞれの政府に働きかけることで合意しました。
高橋知事とリマレンコ知事代行は、2022年までの4年間に水産加工業や養殖業に携わる企業間の交流を支援することや、サハリンの交通インフラの整備に北海道の技術が導入されるよう協力することなどを盛り込んだ覚書を交わし、経済や文化などの交流を一層深めていくことを確認しました。
-- NHK NEWS WEB