出版や動画配信などを手がける「カドカワ」は、川上量生社長が社長職を退き、代表権のない取締役に降格することを決めました。川上氏が創業した傘下のドワンゴの事業が不振で、ことし3月期の決算が赤字に転落する見通しとなり、経営悪化の責任を取るための降格とみられます。
発表によりますと、カドカワは13日付けで川上量生社長の社長職を解いたうえで、代表権のない取締役に降格しました。
川上氏は動画配信サイトのニコニコ動画などを運営する「ドワンゴ」の創業者で、出版や映画などを手がける「KADOKAWA」との経営統合を経て、平成27年からグループの持ち株会社「カドカワ」の社長を務めていました。
しかし、動画配信やゲームなど傘下のドワンゴの事業が振るわず、グループ全体のことし3月期の決算で、最終的な損益が当初の54億円の黒字から43億円の赤字に転落する見通しになりました。
川上氏は経営悪化の責任を取って社長を退いたものとみられ、代わって松原眞樹専務がカドカワの新たな社長に就任しました。
またドワンゴの社長も交代し、NTTドコモで「iモード」を普及させた夏野剛氏が社長に就任しました。
カドカワではグループの経営体制を刷新して、業績の立て直しを図りたいとしています。
-- NHK NEWS WEB