自動運転技術の発達に伴って、精度の高い地図の開発競争が世界的に激しくなっています。こうした中で、日本の自動車メーカーなどが出資する地図の開発会社が、アメリカの地図会社を買収することになりました。
自動運転向けの地図をめぐっては、アメリカのグーグルが独自に開発を進めているとみられるほか、世界大手のオランダの地図会社が国境を越えて他社との提携に乗り出すなど、自動運転技術の発達に伴って、世界的な開発競争が激しさを増しています。
こうした中、地図会社のゼンリンや日本の自動車メーカー10社、それに官民ファンドのINCJが出資する「ダイナミックマップ基盤」は、アメリカの地図の開発会社「アッシャー」を買収することで合意しました。
アッシャーに出資するGM=ゼネラルモーターズ側などから株式を買い取りますが、買収額は公表しないとしています。
ダイナミックマップ基盤は、信号や標識のほか道路の形状を高い精度で表現した3次元の地図の開発を手がけていて、今年度中には国内のすべての高速道路と自動車専用道路の地図を完成させる計画です。
アメリカの高速道路の地図データを持つアッシャーを買収することで、今後、アメリカ市場への進出を目指すことにしています。
ダイナミックマップ基盤の中島務社長は会見で「まずは日米で足元をしっかり固め、今後はヨーロッパにも事業を展開したい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB