厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の調査方法をめぐり、4年前に、当時の総理大臣秘書官が厚生労働省側に問題意識を伝えていたことについて、安倍総理大臣は衆議院予算委員会で、みずから調査方法の変更を指示したことはないと説明しました。
この中で、安倍総理大臣は、厚生労働省の統計不正問題について、「高い専門性と信頼性を有すべき統計分野で、15年間にわたって誤った処理が続けられていたにもかかわらず見抜けなかったことに、責任を重く受け止めている」と述べました。
また安倍総理大臣は、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の調査方法をめぐり、4年前に、当時の総理大臣秘書官が厚生労働省側に問題意識を伝えていたことについて、「秘書官から報告を受けていないが、3年に1度、調査対象を変えると大きなぶれが出てきて、今まで3年間、毎月毎月出していた統計を全部変えることになるのは意味がないという問題意識を伝えるのは当たり前だ」と指摘しました。
そのうえで、「平成27年9月3日に国会答弁を準備する際に、その年の6月の賃金の伸びについて、調査対象事業所の入れ替えの影響があった旨の説明を秘書官から受けたが、私からは、何ら指示はしていない」と述べ、みずから調査方法の変更を指示したことはないと説明しました。
そして、安倍総理大臣は「われわれが、統計をいじって実質賃金を多く見せようと考えているというのは全く違うので、そういう間違った認識は与えないでもらいたい。そもそも、毎月勤労統計調査を示して、賃金が上がっていると、私から積極的に言ったことはない」と強調しました。
このほか安倍総理大臣は、競泳の池江璃花子選手が白血病を公表したことに関連し、白血病に有効な治療法の1つの「骨髄移植」について、「希望する方がドナーになりやすい環境整備が重要だ。新年度からはドナー休暇などを導入しようとする企業への働きかけを行う活動などを支援していく。若年層のドナー増加が重要であり、SNSを用いた普及啓発の促進などを進めていきたい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB