サイバー攻撃対策の一環として、家庭や企業にある、インターネットにつながるいわゆる「IoT機器」について対策が不十分な機器を洗い出す国の大規模な調査が、20日から始まります。しかし、不安の声もあることから、国は、周知を重ねて理解を求めたいとしています。
この調査は、家庭や会社などにあるルーターやウェブカメラなどのIoT機器およそ2億台を調べたうえで、接続が可能なものに対して、予想されるIDとパスワードを実際に入力して一方的にアクセスを試みることで、セキュリティー対策が不十分な機器を洗い出し、所有者に対策を促すものです。
調査は20日にスタートし、総務省が所管する情報通信研究機構が5年間にわたって行うことになっています。
背景には、IoT機器を悪用したサイバー攻撃が深刻化している現状があり、去年、研究機構が観測したサイバー攻撃のおよそ半数でIoT機器がねらわれていました。
こうした機器が不正に操られれば、より大規模なサイバー攻撃につながるおそれがあり、総務省は東京オリンピック・パラリンピックに向けて対策を強化する必要があるとしています。
一方で、実質的に不正アクセスと変わらない行為を特例的に国が行うことに不安の声もあがっていて、総務省は、特設のホームページや専用の電話窓口を設けて、機器内部には侵入しないことや、情報の管理を厳格に行うことなどを説明し、理解を求めています。
-- NHK NEWS WEB