7年前、浜松市の68歳の男性が殺害された事件で、歯科医師の男が逮捕されてから6年余りが経過して、裁判員裁判の初公判の日程が決まりました。証拠の開示や鑑定などに時間がかかったとみられますが、裁判の準備がこれだけ長期化したのは異例のことです。
この事件は、平成24年12月、浜松市東区の貸倉庫で建設会社経営の高森繁治さん(当時68)の遺体が見つかったもので、高森さんを殺害し倉庫に遺体を遺棄したとして、浜松市東区の歯科医師、藤井敏美被告(63)が殺人や死体遺棄などの罪に問われています。
捜査関係者によりますと、起訴内容を否認しているということです。
裁判官や検察官、弁護士は、平成25年の4月から争点などを整理する「公判前整理手続き」を始めましたが、逮捕から6年余りが経過しても裁判員裁判の日程が決まっていませんでした。
こうした中、静岡地方裁判所浜松支部は、ことし5月14日に初公判を開くという日程が決まったことを明らかにしました。
今回の事件で「公判前整理手続き」が長期化したのは、弁護士が検察に求めた証拠の開示に関して調整に時間がかかったことや、裁判所が実施することを決めた鑑定が終わるまでに時間がかかったことなどが主な要因とみられていますが、裁判の準備がこれだけ長期化したのは異例のことです。
手続きが長期化したことについて、静岡地方裁判所浜松支部は、「長期化の個別の理由については回答できない。ただ、『公判前整理手続き』を適切、かつ合理的な期間内に終えることが重要だということは認識しており、これを実現するための努力は今後も続けたい」としています。
-- NHK NEWS WEB