札幌市交通局と市内のバス会社は災害時などに乗客を代替輸送するための協定を結んでいるものの、地震が起きた21日夜は、バス会社が運転手不足などを理由に要請に応じられず、代替輸送が行われていなかったことが分かりました。
北海道厚真町で震度6弱の揺れを観測した21日夜の地震で、札幌市営地下鉄は3つある路線のすべてで運転を見合わせ、大勢の人たちがバスやタクシー乗り場に列を作ったほか、帰宅困難者も地下街などで一夜を明かしました。
札幌市交通局は、事故や災害などで地下鉄が運転を見合わせた場合に備え、「ジェイ・アール北海道バス」、「じょうてつ」、「北海道中央バス」の3社と乗客の代替輸送に関する協定を結んでいて、21日夜の地震でも3社に臨時バスを使った代替輸送を要請しました。
しかし、3社とも要請に応じられず、代替輸送が行われていなかったことが分かりました。
理由について、いずれのバス会社も「可能なかぎり協力したかったが、時間帯が遅く、運転手を確保できなかった」などと、運転手不足を理由の1つに挙げています。
札幌市交通局は「災害時に代替輸送ができない可能性を考慮したうえで、帰宅困難者への対応を柔軟に検討していきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB