中国では、最高裁判所のトップの司法への介入を告発した裁判官が、当局から「虚偽の告発をした」などと追及される事態になり、最高裁をめぐるスキャンダルに波紋が広がっています。
中国の最高裁判所にあたる「最高人民法院」の王林清裁判官は去年、地方の政府系企業と炭鉱開発業者が争った裁判で、トップの周強院長が地方政府側が有利になるよう裁判をやり直すよう命令したとして告発しました。
習近平指導部が法による統治の推進を掲げる中での告発は注目を集めましたが、国営の新華社通信によりますと、この問題を調査していた中国当局は22日、王裁判官が虚偽の告発を行ったなどとして刑事責任を追及すると発表しました。
それによりますと、王裁判官は5年前、規律違反を理由に処分を受けたほか、その後、民事訴訟の担当も外され、組織に不満を持っていたということです。
インターネット上では、当局の発表について懐疑的な見方も出ていて「最高裁を守るため王裁判官が犠牲になった」といった書き込みも寄せられるなど、最高裁をめぐるスキャンダルに波紋が広がっています。
-- NHK NEWS WEB