アメリカの大手IT企業マイクロソフトはビデオゲームなどに使われるゴーグル型の端末をアメリカ軍に納める契約を結びました。しかし従業員の間から、技術が軍事利用され「戦争をまるでビデオゲームに変えてしまう」という反発の声があがり、経営トップに抗議の書簡を送りました。
ゴーグル型の端末は、AR=拡張現実と呼ばれる技術を使い、現実の風景の上にコンピューターのCG映像が映し出されます。
アメリカ軍は訓練などのために、この端末を使うことを決め、マイクロソフトと去年11月、4億8000万ドル(およそ500億円)の契約を結びました。
しかしマイクロソフトの従業員が22日、この契約について「戦争をまるでビデオゲームに変えてしまう」として抗議する書簡をサティア・ナデラCEOに送り、兵器に使われる技術の開発をやめるよう求めました。
アメリカのメディアによりますと、署名した従業員は50人以上に上るということです。
テクノロジーの軍事利用をめぐっては去年、アメリカ国防総省が進めているAI=人工知能を使った無人の武器開発計画の事業をグーグルが受注しましたが、大勢の従業員が抗議して会社は契約の更新を取りやめています。
最新テクノロジーの開発競争のためIT企業の間ではエンジニアの争奪戦が起きていて、従業員の声に耳を傾けなければ大手企業であっても優秀な人材を引き止めることが難しくなっていると言われています。
-- NHK NEWS WEB