アメリカと中国の貿易をめぐる交渉で、トランプ大統領は来月1日の交渉期限を延長したうえで、習近平国家主席との首脳会談を来月開き最終的な合意を目指す意向を示しました。ただ双方の立場にはなお隔たりが残り、閣僚級の交渉を2日間延長して議論することにしています。
アメリカは、中国からの輸入品にかける関税を引き上げる制裁措置の発動を来月1日まで猶予して、中国と貿易問題をめぐる交渉を行っています。
22日まで2日間、ワシントンで閣僚級の交渉が行われ、トランプ大統領は中国側の交渉責任者の劉鶴副首相と会談しました。
この中でトランプ大統領は「とてもよい話し合いをしている」と述べて、交渉は前進していると強調しました。
そのうえで、交渉が進展すれば関税の引き上げをさらに猶予して来月1日の交渉期限を延長したうえで、フロリダ州の別荘で習近平国家主席との首脳会談を来月開き、最終的な合意を目指す意向を示しました。
今回の交渉では、中国がアメリカ産の大豆の輸入を増やして貿易赤字の是正につなげることや、通貨・人民元の管理政策など、一部で進展があったということです。
しかしアメリカが見直しを迫る知的財産権の侵害や国有企業への優遇策など、中国の体制にかかわる問題では簡単には応じない姿勢を示しているものとみられます。
ライトハイザー通商代表は「なお非常に大きなハードルがある」と述べ、双方の立場には依然隔たりがあるという厳しい認識を示しています。
米中両国は閣僚級の交渉を2日間延長して24日まで続けることを決め、残る課題について議論することにしています。
-- NHK NEWS WEB