ロシアに進出する日本企業のうち、7割が去年の営業利益が黒字になると見込む一方、多くがアメリカによる制裁強化を不安視して事業の拡大には二の足を踏んでいる現状が、ジェトロ=日本貿易振興機構の調査で分かりました。
ジェトロは、ロシアに進出している日本企業のうち132社を対象に、去年10月から調査を行い、114社から回答を得られたとして、今月結果を公表しました。
それによりますと、去年の営業利益が黒字になると見込んでいる企業は73%に上り、調査を始めた2013年以降で最も高くなりました。
その理由として、ほとんどの企業が「売り上げの増加」を挙げています。
一方で、アメリカによる制裁の影響を踏まえた今後の事業展開については76%が「現状維持」と回答し、ロシアへの追加制裁の影響を不安視して事業の拡大には二の足を踏んでいる現状が浮き彫りになりました。
具体的な影響としては、取引先の企業が制裁対象となって部品などの調達が困難になったり、本社がロシアビジネスの優先度を下げたりしているといった実例を挙げています。
ジェトロ・モスクワ事務所は「ロシア経済が緩やかな回復傾向にあることが反映された結果となったが、制裁の行方についても注視する必要がある」としたうえで、不安定な為替レートや、依然として煩雑な通関手続きなどもリスクとして指摘しています。
-- NHK NEWS WEB