政情不安が続く南米のベネズエラで、観光ツアーのため入国した日本人の女性が、国境の閉鎖に伴ってベネズエラから出国できない状況に陥り、現地の日本大使館が対応を急いでいます。
ベネズエラの日本大使館によりますと、この女性は先週、ブラジルの観光ツアーに参加してベネズエラ南部のサンタエレナデウアイレンを訪れたあと、23日、ブラジルに戻ろうとしたところ、国境が閉鎖されていたため、足止めされているということです。
ベネズエラでは軍や警察を掌握し独裁を続けるマドゥーロ大統領と暫定大統領への就任を宣言しアメリカの支援を受けるグアイド国会議長の対立が激しくなる中、軍がブラジルからの人道支援物資の搬入を阻止しようと、21日から国境を閉鎖しています。
観光ツアーにはおよそ20人が参加し、このうちブラジル人についてはブラジル政府が交渉した結果、25日までにベネズエラから出国できたものの日本人の女性だけは出国を認められていないということです。
地元メディアは、女性が現在、ブラジルの旅行会社が用意した施設に滞在していると伝えていて、日本大使館の職員が対応にあたるため現地に向かっています。
ブラジルとの国境に近いこの地域では、22日、ベネズエラ軍の兵士が人道支援物資を受け入れるよう訴えていた住民に向かって発砲し、少なくとも2人が死亡、20人以上がけがをする事件が起きています。
-- NHK NEWS WEB