電話の転送サービスが振り込め詐欺などの特殊詐欺に悪用されるケースが相次ぐ中、契約時に本人確認を十分に行っていないなどの悪質な業者について、警察庁が調査に乗り出すケースが急増していることがわかりました。
電話の転送サービスでは、携帯電話からでも相手の電話機に「03」などで始まる番号を表示させることができます。
警察庁によりますと、このサービスを詐欺グループが企業や官公庁などからの電話と相手に信じ込ませたり、発信場所の特定を遅らせたりする目的などで悪用しているとみられています。
転送サービスの業者には、契約時に本人であることを証明するもので相手の確認を行うことなどが法律で義務づけられていますが、実際に詐欺に悪用されたケースの中には、明らかに偽造とわかる書類で契約を結ぶなど、法令違反の疑いがあるものが相次いで発覚しているということです。
こうした悪質な業者について、警察庁が法律に基づく調査に乗り出したケースは去年1年間で13件に上り、年間0件から3件で推移していた前年までと比べて急増しています。
全国の警察は転送サービスの悪用が広がる背景に、ずさんな取り引きで契約を結ぶ業者の存在があるとみて実態の解明を進めるとともに、犯罪に使われると知りながらサービスを提供した場合は詐欺を手助けした疑いで検挙するなど取締りを強化しています。
-- NHK NEWS WEB