政情不安が続く南米のベネズエラに観光ツアーで入国した日本人の女性が、国境の閉鎖に伴ってベネズエラから出国できなくなっていましたが、27日、現地の日本大使館に保護されました。
ベネズエラの日本大使館によりますと、この女性は先週、ブラジルの旅行会社が企画した観光ツアーに参加してベネズエラ南部を訪れましたが、23日、ブラジルに戻ろうとしたところ、国境が閉鎖され、足止めされていました。
ベネズエラでは軍や警察を掌握して独裁を続けるマドゥーロ大統領と、暫定大統領への就任を宣言し、アメリカの支援を受けるグアイド国会議長の対立が激しくなる中、軍が、ブラジルから人道支援物資が運び込まれるのを阻止しようと21日から国境を閉鎖しています。
女性はブラジルの旅行会社が用意した施設に滞在していましたが27日、日本大使館の職員に保護され、首都のカラカスに向けて移動しているということです。
女性が入国したベネズエラのこの地域では22日、ベネズエラ軍の兵士が、人道支援物資を受け入れるよう訴えていた住民に向かって発砲し少なくとも4人が死亡、20人以上がけがをする事件が起きるなど不安定な情勢が続いています。
-- NHK NEWS WEB