がん患者の遺伝情報を治療に役立てる「ゲノム医療」をめぐり、島根大学医学部附属病院が、6人の患者に対し、書面での同意を得ないまま手続きを進めたうえ、5人の個人情報が、外部の検査会社に漏えいしていたことが分かりました。
島根大学医学部附属病院は、去年11月から、「国立がん研究センター中央病院」と連携し、がん患者の遺伝情報を治療に役立てる「ゲノム医療」に取り組んでいます。
附属病院によりますと、「ゲノム医療」の提供にあたって、2つの病院では、事前に患者から書面での同意を得るよう取り決めていたものの、附属病院側が6人の患者に対し、こうした手続きを怠っていたということです。
さらに、このうち、5人の患者の名前や生年月日などの個人情報が外部の検査会社に漏えいしていたということです。
島根大学医学部附属病院の井川幹夫病院長は、記者会見で「不適切な事態が発生したことを心からおわびします。病院全体で研修を行い、再発防止に努めます」と陳謝しました。
附属病院では去年11月、殺人事件の被害者の電子カルテを一部の職員が業務以外の目的で閲覧していたことが明らかになっています。
-- NHK NEWS WEB