学生優位の売手市場が続く中、地方の中小企業は人材の確保がますます難しくなっています。こうした中、大分市の企業は、ごはんを現物支給するなど若手社員の心をつかむ取り組みを次々と打ち出しています。
およそ50人が働く大分市の建設会社は、新入社員の確保のため、さまざまな取り組みを進めています。
このうち、去年から始めたのは、ごはんの“現物支給”です。
社内には大型の炊飯器が置いてあり、社員は、昼食や夕食用にごはんを無料で食べられたり、自宅に持ち帰ったりすることができます。若手社員の食費の負担を減らすのがねらいです。
また、学生の奨学金の返済を会社が肩代わりする制度も設けました。採用活動を通して、奨学金の返済に悩んでいる学生が多いと感じたためで、この春から、希望する新入社員には毎月2万5000円を5年間にわたって支給します。
このほか、午後8時半には社内の電源が自動で切れるようにして、残業できなくなるようにしています。
人手不足が続く中、地方の中小企業は人材の確保がますます難しくなっていますが、こうした取り組みの結果、この会社では去年、4人の採用予定に対し50人の学生から応募があったということです。
建設会社の臼井栄仁常務は「人材獲得の競争が激しくなる中、田舎にある中小企業として焦りも感じている。新入社員のニーズに応えられる制度などを、これから始まる採用活動でもしっかりPRしていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB