イスラエルの検察はネタニヤフ首相を収賄などの罪で起訴するための手続きを開始したと発表しました。ネタニヤフ首相は身の潔白を主張し、首相職にとどまる構えですが、イスラエルでは来月に総選挙が行われる予定で、汚職事件が選挙にどのように影響するか注目されています。
イスラエルの検察は28日、ネタニヤフ首相が通信会社の事業に便宜を図り、見返りとして通信会社の傘下にあるネットメディアに政権に好意的な報道をさせていたなどとして、収賄など3つの罪で起訴するための手続きを開始したと発表しました。
イスラエルの司法制度では公人は直ちには起訴されず、検察は今後、ネタニヤフ首相に事情聴取を行い反論の機会も与えたうえで、起訴するかどうかを判断することになります。
また起訴された場合でも裁判で有罪が確定するまで、失職することはありません。
ネタニヤフ首相は直ちに記者会見し「魔女狩りであり、私は無実だ」と述べて身の潔白を主張し「これからも何年にもわたって首相を務めていくつもりだ」と述べ、首相職にとどまる構えをみせました。
ただ、イスラエルでは来月に総選挙が行われる予定で、最新の世論調査ではネタニヤフ首相が率いる右派政党リクードが第一党の座を維持できるかは不透明な情勢です。
このためネタニヤフ首相の汚職事件が選挙にどのように影響するか注目されています。
-- NHK NEWS WEB