インドネシアのスマトラ島では、新種のオランウータンが生息する森でダムの建設計画が進んでおり、環境保護グループが建設の中止を求めましたが、地元の裁判所はダムの建設を許可する判断を示しました。希少なオランウータンの保護をめぐる議論が過熱することが予想されます。
スマトラ島北部の森ではおととし、ヒトに近い大型の霊長類ではおよそ90年ぶりの発見となる、新種のオランウータン「タパヌリオランウータン」が見つかりました。
しかし、この森ではインドネシアと中国の合弁企業によるダムの建設計画が進んでおり、インドネシア最大の環境保護グループは、タパヌリオランウータンが絶滅する可能性があるとして、ダムの建設を許可しないよう州の裁判所に申し立てていました。
これに対して裁判所は4日、環境保護グループの主張を退け、ダムの建設を許可する判断を示したということです。
環境保護グループはこれを不服として、あらゆる法的措置を取る考えを示していて、希少なオランウータンの保護をめぐる議論が、過熱することが予想されます。
-- NHK NEWS WEB