アメリカの中央銀行に当たるFRB=連邦準備制度理事会は最新の経済報告で、多くの製造業の間で世界的な需要の鈍化や中国との貿易摩擦に伴う関税の引き上げによる生産コストの上昇などに懸念が示されたと指摘し、景気拡大のペースが鈍化しているという認識を示しました。
FRBは6日、全米に12ある地区連銀が企業などに行った聞き取り調査を基に、最新の経済報告を公表しました。
それによりますとアメリカ経済について、10の地区で「わずかに、あるいは緩やかに、拡大している」としたほか、2つの地区では「横ばいになっている」として、景気拡大のペースが鈍化しているという認識を示しました。
そのうえで半数の地区で1か月以上にわたった政府機関の一部閉鎖によって小売業や自動車販売店、観光、飲食店、それに製造業などの分野でマイナスの影響があったと指摘しました。
また多くの製造業の間で、世界的な需要の鈍化、中国との貿易摩擦で輸入品への関税が上乗せされたことによる生産コストの上昇、それに米中の貿易交渉の行方に不透明感があることなどに懸念が示されたとしています。
FRBは前回、1月の会合で、利上げをいったん休止する方針を示していて、今回の経済報告を踏まえ、今月の会合でも金利を現状のまま据え置く見通しになっています。
-- NHK NEWS WEB