太平洋戦争中の「徴用」をめぐる韓国の裁判で、原告側は7日、三菱重工業の韓国にある資産を差し押さえる手続きを裁判所に申し立てたと明らかにしました。こうした動きに対し日本政府は再三、強い懸念を示していて、日韓関係の悪化に歯止めがかからない状態となっています。
太平洋戦争中の「徴用」をめぐり、韓国では去年11月、三菱重工業に賠償を命じる判決が確定し、原告側は、ことし1月に三菱重工の東京の本社を訪問して賠償に関する協議に応じるよう求めていました。
しかし、原告側は三菱重工が期限までに協議に応じなかったとして、7日午前、三菱重工が韓国で持つ特許と商標合わせて8件を差し押さえる手続きをソウル中央地方裁判所に申し立てました。
韓国での「徴用」をめぐる裁判では、別の原告が新日鉄住金が韓国に保有する株式をすでに差し押さえ、近く売却して、現金化する方針です。
こうした動きに対し、日本政府は再三、強い懸念を示していて、韓国政府に日韓請求権協定に基づく協議に応じるよう求めています。
一方、韓国政府は、これまで協議に応じるかどうか明らかにしておらず、日韓関係の悪化に歯止めがかからない状態となっています。
-- NHK NEWS WEB