中国では地方政府が国有企業の債務を事実上肩代わりするなど、不透明な債務が巨額に上り、経済成長をはばむリスクだと指摘されていて、中国政府の高官は、地方政府への管理を強化し、不透明な債務が増えることを一切認めない姿勢を強調しました。
中国の劉昆財政相は、開会中の全国人民代表大会にあわせて行った記者会見で、地方も含めた政府の債務総額について「GDP=国内総生産に比べて37%と、先進国や新興国の水準を下回っており、リスクは非常に低い」と述べ、コントロールできる範囲にとどまっているという認識を示しました。
ただ、中国ではこうした債務とは別に、地方政府が国有企業の借金の返済を保証して、事実上肩代わりするケースも多く、「隠れ債務」だと問題視されています。
これについて劉財政相は「『隠れ債務』に対しては、すでに厳しい措置を導入しており、新たな債務の発生を抑えると同時に、安定して解消していく」と述べ、地方政府の財政に対する管理を強化し、不透明な債務が増えることを一切認めない姿勢を強調しました。
地方政府の「隠れ債務」は巨額に上り、経済成長を阻むリスクだと指摘されているため、中国政府はこれまでも管理強化の方針を打ち出してきましたが、解消のめどは立っておらず、どこまで実行できるか注目されます。
-- NHK NEWS WEB